銘菓「だんしゃくいも」を手放すことは、新しい挑戦

北海道倶知安(くっちゃん)お菓子のふじい 藤井千晶

祖父が亡くなったのは私が小学6年のとき

めちゃくちゃ私はおじいちゃん子

おじいちゃん大好き おかしなちあき です

創業当時からある唯一の商品

お菓子のふじいの創業は1950年

祖父が今のこの場所でお店を開業し

その当時からある商品

「だんしゃくいも」

だんしゃくいも

だんしゃくいも

中は白餡

周りはシナモンをかけた焼き菓子

くっちゃんはイモの名産地なので

イモをイメージしたお菓子

 

このお菓子が私たち家族を養ってくれていた

お菓子のふじいの大黒柱といっていい

 

その商品を手放すことにした

でも、その商品を手放すことにした
理由としては機械の老朽化と作り手が変わることによるもの。
機械については約35年前から使用しており
すでに機械の製造メーカーもなくなり、換え部品もなく
いつ壊れてもおかしくない状況
機械の生年月日の書いた札

機械の生年月日の書いた札

既存の新しい機械で作ることは可能だけど
お菓子は大変デリケートで、機械の変更と今まで両親がてがけた
この商品を、バトンタッチして私たちに作り手が変わることで
従来の味をそのまま作ることは難しいと判断。
多くの方々から「味が変わった」と指摘されるのであれば
終売して、新たな商品を開発し銘菓にしていくことを決断した

新しいことを始めるより、執着を手放すことの方が難しい

初代の祖父が開発したお菓子を手放すことは苦渋の決断

でも、次のステップに行くために必要で
おそらく祖父は応援してくれると思う
なぜそんなことを言うかというと
祖父は戦後このお店を開業した
戦前・戦中・戦後
正直この時代なんて、執着なんてしてられなかったと思う
今の世の中なんかよりずっといろんなことが動いて
過去の執着を捨て続けなければいけなかった
そこと比べたら、それほど大きいことではないと思う
新しいことを始めるよりも
過去との決別する方がずっと大変
私自身、専門学校を一つ中退したけど
その時は本当に悩んだけど
悩んだ末に手放したら
手放したより大きいものが入ってきた
つぎのステップに行くために
65年のだんしゃくいもの歴史を手放し
新しい商品開発の始まりだ!
でも、
ちゃんと
お菓子のふじいの歴史は抱えているよ
おじいちゃん
歴史とわたし

歴史とわたし

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