会社の根本の言語化「ブランドアイデンティティー」を作る

そこそこ、考えてから行動に移すのが早い方ですが、実は物忘れが酷いためその対策として、行動の速さが身についたのでは?っと思ってる 株式会社ふじ井・お菓子のふじい・カナリアップ代表の藤井千晶です。

小さいお店でもブランドを作る大切さに気がついた時期

2006年実家のお菓子屋さんに帰ってきたときは、ヒラフエリアは海外からのお客様が来始め、賑わっていたけど、駅前通りにその観光客が流れては来ていなかったのを見て。「車で10〜20分のエリアはあんなに人がいるのに、なぜうちのお店にはこないんだろう?」という素朴な疑問が湧いた。
そして自分の出した答えは「エリアに人は来てるけど、お菓子のふじいに来たいと思わせるだけの魅力がない。ふじいに来ることを目指してもらえるお店にするためには、小さなお店でもブランディングは必要」

そんな思いを胸に2010年ごろからオーブンちゃんの登場や、ソフト君の登場、黄色と紺色をブランドカラーとして、当時は家族&1、2名のアルバイトだけで、お店にお金もない中、宣伝広告費にお金かけるくらいなら、お店を面白くしてお客さんに楽しんでもらいたいの気持ちで、いろんなノベルティーを作ってきたし、どんなお店を目指していくのか言語化もし、このような言葉を店頭にも掲げた。

経営者として数字と向き合う覚悟をした時期

何かを発想して、カタチにすること、デザインすること、新しいことに挑戦することは私にとっては、とても楽しい事で、誰かからの評価ではなく、常に自分自身が、納得できる物をカタチにしていた。それを最初に見たスタッフから歓声が上がり、お客様が喜んでくれたり、周りの人が楽しんでくれることを嬉しいと思っていた。

しかしながら、年数を重ねることゆっくりながら、スタッフの人数が増えていき、売上も上がり、「数字」や「管理」に目を向けないと「まずい」と感じ始めていたが、この領域は苦手意識強い部分。
いつかぶつかる壁ならば、自ら勉強をしてみようと数年にわたり「数字による経営」の勉強に挑戦した。

この時期から自分自身が「経営者」である自覚が芽生えたと同時に「楽しむ」から「状況や数字をコントロール」しないといけない意識にシフトし、この時期の前後にタカヨシさんの化学物質過敏症の初期症状が出始めた。

お店の数字を把握し、数字の健全化して3年が経つのと同時進行でタカヨシさんの症状が悪化し仕事ができなくなる危機まで陥り、2018年カナリアップの工場を立ち上げる計画をたてた。とても個人事業主として借入できる額ではなかったので、法人化の準備をし、お金を借入するには3期分の決算書が必要で、ちょうど数字が健全化しその内容も言葉と話せて、借入する銀行さんと交渉できるだけの、細かな事業計画を提出し、昨年2019年にカナリアップの工場が立ち上がった。

時代の流れと、今までやってきたことへの違和感

実はその頃、自分の中で異変を感じてた、あんなに楽しかったデザインができなくなっていった。お店の情報を書いて、みんなが楽しみにしていたふじい新聞が「書けなく」なった、売上も足踏みをし、多額の借金を抱えて「焦り」が及ぼす、体調・メンタル・行動全てにおいてバラバラになっていくのを感じた。

夫のために立ち上げたカナリアップの工場は全国初と言われる、就労困難になりやすい化学物質過敏症の人が住んで働ける施設で、客観的に見てもSDGsが世界的な流れとしてある中で、社会貢献的要素がある、インパクトのある事業のためにいろんな可能性を秘めていた。

そんな中、コロナが起こりいろんな価値観が変容する中で、会社として目指す方向が分裂してる三つのポイントに気がついた。
*自分の得意とし、クリエイティブな楽しいお店作り
*会社として数字管理しコントロールすること
*社会貢献としての会社のあり方

今まで会社を経営してきた流れの3つのステップのはずなのに、それをまとめられない。
経営の方針が定まらない。
いい素材があるのに、「いびつ」に組み上がってしまった違和感
一旦解体して、それぞれの個性が生きるための場所に組み直す必要があるけど、きっかけを見つけれずにいた。

きっかけは突然やってくる

8月のある日、北海道新聞の方からお電話をいただき、担当の方にお会いしたところこの企画に参加しないかというご依頼だった。

ざっくり言えば4つの会社が参加し、スタッフと一緒に同じプログラムを受けてブランドを構築して、それをコンペで発表しようという物。

二日間スタッフ参加の研修会・他社との交流会・コンペ日 9月〜12月の間に4日間は日程を抑えなければいけない状況で、正直参加するのを躊躇した。でも、崩れてしまってる思考をまとめるのには他者に協力してもらった方が良いし、おそらくこの手の研修をするとかかるコストを考えればメリットしかない
そんな判断で翌日には参加の意思を示した。

そして二回にわたり行った自社での研修は非常に有意義なものだった

講師の勝山ヒロシさんの講習とファシリテートは見事なもので、「ブランディング」という物を噛み砕き、スタッフみんなに周知し、考えてもらうステップを時間をかけて構築していくのを見ながら、終わった後に夫のタカヨシさんにも「ちあきがやりたい・やってきたブランディングというのはこういうことだったんだ」という感想を聞いたとき、この企画に参加して良かったなと感じた。

外部・スタッフから見た会社の価値を統合し再構築する

講習内では取引会社の社長やスタッフに参加してもらい、客観的に見てお菓子のふじいはどんな存在かをみんなでヒアリングをし、マーケティングの基本となる3C分析・ポジショニング・ペルソナ作りなどをスタッフ主体で行い、それらを統合していく作業。

スタッフから出た全員一致のブランドアイデンティティーは

「買って嬉しい、もらって楽しい、お菓子のふじい」

うちのスタッフすごいな
とてもいい文言が出たと感じた。

この文章をもとに、全体を俯瞰してブラッシュアップをするのに、毎日毎日文字を一語一句並べてバージョンアップさせる作業をすることに

文言や研修中に大きい3つ気づきは
*お店が進化、成長してることを客観的にお客様もわかってくれてる(スタッフの自信に)
*目の前のお客様への対応能力が高く、地元に寄り添ってる(お客様の対象を広げるより絞り込み)
*創業70年が立ってるのに、老舗感がなく過去とのつながりが希薄(財産の活用ができてない

お菓子はツールで何をする物なのか?という問い

講習中に何度も何度も、そりゃーしつこいぐらい勝山さんは「お菓子を通してお客様は相手に何を伝えたいのか」「なぜお菓子を買うのか」「なぜ、ふじいのお菓子の必要があるのか」なぜ・なぜ・なぜの問いかけ。

そもそも、なぜお菓子屋をしてるのか?に関連づけられていく。

お店として・個人として大切なワードを炙り出していくと
「つながり」「カタチ」 の二つが出てきた

つながり
時代とのつながり 先代があって歴史があって、お店がつながってる
地域の物を使う、社会と地域・人との「つながり」
相手と距離や時間を超えた「つながり」

「つながる」や「つなげる」ではなく
今そこに存在してる「つながり」を大切にしたい

新しく求めなくても偶然・必然的に存在してる「つながり」も価値がある

カタチ
心・感謝をメッセージとしてカタチにする
お菓子としてカタチにする
あえてカタカナにしてるのは 形・像・容 漢字にするとカタチが断定してしまうから
目に見えるもの、見えない物、様々のものを指している。

新しいカタチのないものをカタチにするときに最も楽しさを感じるという感覚

二つをつなげると

つながり」をカタチに

まだ確定ではないにせよ、これを会社のアイデンティティーにすると
夫を含め化学物質過敏症のスタッフを会社として施設を作り雇い入れる意味が明確になる

必死だったカナリアップの立ち上げ。
これは社会にも意味があることだと言い聞かせてきた。
でも、社会貢献以前に
目の前で社会から孤立していく(つながりを絶たれてく)タカヨシさんに対して
社会とのつながりをカタチにするために、カナリアップを作ったんだって。

つながりをカタチ にすることの大きな体現を既にやっているわけで、その中で継続性は重要視していない、ないものを出現させることが得意とするならば、継続性を得意とする部分は別の領域だから、無理をしてそこをするよりも、誰かに助けてもらう方が良いという考えに。

全体的にまとめると

12月12日に最終的にコンペがあるので、まだ変更するかもしれないけれど
今、現状でまとまってる案は

みて楽しい、もらって嬉しい、つながりをカタチに

「買う」ではなくて「見て」にしたのは、買う前段階の店頭ディスプレー、ふじい新聞、SNSなど、そもそも買わなくても、楽しいと感じてもらうことの必要性。

「もらって嬉しい」は商売してれば当たり前なことだけど、このブランドアイデンティティーは社内向けにも使われる言葉で、スタッフ指導の現場で「この商品はロスですか?」の問いに対して「それは自分がもらって嬉しいか、大切な人に送ってその人がもらって嬉しいと思うのか」を聞くことがある。

見て楽しい、もらって嬉しい は自分自身が商品を作るたびに毎回問う言葉で、例えば「お客さんの立場でこの紙袋もらって嬉しいかな?良いものなら、残しておきたい、誰かに自慢したい、見せたいと思うはず」の目線を忘れてはいけないと思ってるし、自社のグッズをスタッフが喜んでくれて、実際使ってもらえなければ、その段階で会社都合になってることが多いので

仕事は毎日行われ、気がつけば作業になっていく。でもその商品は買った誰かが、大切な誰かに贈るものだと忘れてはいけない自戒を込めてる文章でもある。

そして、お客様や周りに存在してる「つながり」をお菓子としてカタチにするお仕事だということを、改めて考えて欲しいし、お客様にもそれをできるのは「お菓子のふじい」なんだと感じてもらいたい

そんな願いが込められてる。

私にとっての「つながり」

この文が出るまで、正確に言えば今この文章を書いてる時も、まだ自分に質問し続けてる。

私にとって「つながり」に関することは「喜怒哀楽」起点だと気がついた

先日、卒業して20年近く経つ専門学校の先生からご連絡いただいたり
クラファンをしたときに、小学校時代の担任の先生からご支援いただいたり
お会いしたことのないSNSの友人たちが、外からそっと支えてくれたり
そこに「つながり」に喜びや楽しさがあり

「つながり」が切れそうになったら悲しさを覚え
「つながり」を邪魔したり、切ろうとする人が現れれば憤りを覚える

無理してつながらなくても良くて
この時代だからこそ、今あるつながり、過去に遡って時空をこえたつながりを大切にしていくことを再確認して重視して良いのかなという、「今のあなたでも十分」だよって。

壮大な気づきを、文章に残したいと思って書きました

最後まで読んでくださりありがとうございます
お菓子のふじいは進化します

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