2006年に3代目として実家のお菓子屋さんに帰ってくる時に決めたこと、「自分が美味しいと思うもの、食べたいものを作る」ということ。お菓子業界ももちろん流行りはあるけれど、「流行ってる」という理由の中で自分が食べたいなーっと思った時にしか作りたくない、最近ちょっと頭が派手目になった、北海道倶知安(くっちゃん)お菓子のふじい 代表 藤井千晶 こと おかしなちあき です
当たり前を疑い、シンプルしていくことの利点
お菓子屋さんをやっていると、材料メーカーさんから色んな提案を受ける「これを入れると食感が柔らかくなります」「これを入れると日持ちがします」などなど、その時に「これはいい!」と思って採用して配合に組み込む、何か材料が廃盤になって違う材料に変える、そういうことはよく起こるし、気がついたら配合に入れてる材料の数が増えていってしまう。
でもね、例えば冷凍庫の機能が向上したり、機械の機能が向上したりしたら、最初に必要だったと思われる材料は不要になっていたり、年月が立ちすぎて、「なぜその材料を使ったのか?」すらもあやふやになってしまうことがある。
お菓子を毎日作っていると、材料を計量をする・それを混ぜる・という工程が繰り返されていて、一つの材料がなくなったら、作業工程が1つ減るという、とてつもなく当たり前のことに気がついた。
シンプルにしていくことで、原材料種類が減ることで、棚卸し、在庫の場所などにも影響していくことに改めてプラス要素が多い。
材料の原価と味との兼ね合い
今、売価の設定を見直すために商品の原価計算をあたらためてしていると、入ってるものを計算して、売価を設定する中で、入ってる材料の数字を見ながら、例えば「バターは高い、マーガリンは安い」という一般的には普通のこと。それを一旦コストのことを置いておいて、マーガリンじゃなくてバターにしたら原価がいくら上昇するのだろう?と改めて計算したら、商品によっては全体の含有量から考えたらそれほど原価に影響がなかったり。売価の設定を10〜20円上昇させれば十分対応できるものなどがある。
なんとなく「いい材料は高いから、コストが高くなる」という頭が働くけど、そもそも「具体的にいくら上がるのか?」という観点自体、長くお店をやればやるほど欠落していくのではないかと思った。(私がそうなんで)
そして、いい材料という観点自体も時代が変われば、世の中の状況や自分自身の良しとしてるものがズレることもある。例えば数年前「この材料がめっちゃいい!」と思ったけど「北海道産で自分が使いたい材料があった!」って切り替えようと思ったら金額がなんと半額になったことがある。
うちのような小さなお菓子屋さんは、コンビニやスーパーや大手の価格競争に巻き込まれるような形になるよりも、「自分が食べたいし、この味をお客様に食べて欲しいと思えるお菓子を作ることができるのか」が鍵になってくると思う。だからこそ一旦振り返って固定観念を崩して見直しをかけることは大きな意味がある。
ロールケーキは第一弾。
最近変えた第一号としてはこの定番のふじいロール
使ってる材料は内容表示順で
生クリーム(北海道)、卵(倶知安)、小麦粉(北海道)、米油(北海道)、甜菜糖(北海道)、牛乳(北海道)、米水飴、砂糖、洋酒、食塩(ミネラルバランスのいい「ぬちまーす」)
以前は添加物表示の必要なトレハロースが入っていたし、甜菜糖より白いお砂糖が多かった。
油がサッパリとしたごま油から、北海道産のコクのある米油に変更した。
それによって前よりふわふわかんがまして、食べやすさと味の全体のコクが上がった!
最近食べてなかった方は是非店頭で!
違いがわかった方の感想も聞きたいのでレビューもお待ちしてます!
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北海道倶知安町(くっちゃん)でお菓子屋さんの 「お菓子のふじい」3代目 代表のちあきです。 お菓子作って、経営もして、 果ては当店のキャラクターのグッズデザインやら、SNSまで 仕事とプライベートの境界線がもはや よくわからない日々ですが 楽しみながら仕事をしてますよぉ