まだ雪が降る北海道倶知安(くっちゃん)
株式会社ふじ井 & お菓子のふじい & カナリアップ代表 藤井千晶です。
ものすごい久しぶりのブログですが、
近状報告というか自己葛藤のすえにちょっと見えてきた道について書いた。
1年間感じ続けた違和感。
この運命の記事から丸一年、色々な展開が進みまくっているカナリアップ のお話は次回にするとして、3月に入りお店が忙しく、なおかつタカヨシが体調悪い状況が続き、タカヨシが深夜12時に出勤して、スタッフが来る朝7時半頃までに仕事を終わらせるという状況になった。
それに合わせるように私は4時には出勤して夕方までフルで働く。
その他にカナリアップのこと、新工場のこと、新しいプロジェクト、目の前の仕事の問題の処理から、今後の展開まで、同時進行でやりすぎて完全にメンタルが落ち。
新しいことは楽しいし、やったことないことに挑戦するのも、お菓子を作ることも好き
でも、ここ最近ずっと感じていた違和感。
「頑張ってるよね」「大変そうだよね」「体大丈夫?」「無理しないで」などの心配する声が多数
その中でも「タカヨシさん可哀想だよね」
「旦那さんのためにそんなに動いてくれる、パートナーがいるって素晴らしい」
という声に対して、なんとも言えない違和感を感じ続けていた。
その違和感の原因は「夫のために、献身的に頑張って支える妻」的な見え方をしてるということ。
実際に化学物質過敏症の情報を探し、使えるものや、治療に関すること含め良さそうなものは試したし、このままじゃまずいと、「カナリアップ」を立ち上げ、工場建築まで持ち込んだ。
それでも悪化していく「自分はこんなに頑張っているのに、なぜだろう」と心で思っていたし、タカヨシもイライラすることは多かった。
タカヨシがイライラしても、体調が悪いからしょうがない部分があるので「事実」としての体調が悪いということと、自分の「感情」は基本的に切り離して俯瞰して物事を見る癖がこの数年ですっかり身についてしまった。しかし、色々なことが重なり、思いっきりキレて収まりがつかない日があった。「助けたいのに助けられない 」罪悪感。どんなに努力しても改善しない状況。
たまたま読んだこのブログにやたらと刺さり
そして昨年の秋に、メンタル的によろしくない状況の時に心理カウンセラーの方とお話しした、内容を思い出した。「ちあきさんは誰かを助けてないと認められないと思っていて、努力できない自分は認めてもらえないと思っていて、それが今の状況を動かす原動力になってるかも。それが悪いわけではないし、実際に動かせてるんだからいいんだけど、いつかそのエンジンには無理がかかる。他人のためではなくて、自分が本当にやりたいという自分軸のエンジンにしないと続かないよ」と
(カウンセラーのたちさん↓)
そんなことを思いながら、たまたま追い打ちをかけるように、以前から予約していた栄養学の方面から見たタカヨシの改善について相談するために、専門家の方とのWebミーテイングを入れていた。ネット上でもやりとりがあったわけでもなく、初対面。
そんな彼女から「旦那さん治す気ちゃんとある?」「画面に出してくれたら話すよ」「ちあきさんばかり頑張ってない?呼吸浅いよ、アドレナリンだけで頑張ってるでしょ?
できるだけアドレナリンで頑張り過ぎないこと。
筋緊張が強いとノルアドレナリン(不安感)が上がって、家族のアドレナリンが上がります。
そうすると治るものも治らない。」
(栄養の専門家まごめさんのサイト↓)
もっと一緒に歩むことを意識しないといけないんだ。
そして、もう一つ気が付いたことは
私自身たくさんの化学物質過敏症の方々と接してる中で、もっとも大変なケース「家族との分離」を想定して色々動いていた、「悪くなる」想定をすることは必要だけど、もう一つの「良くなる」想定をしてなかったのだ。「なんか色々対策したら、工場経つ前によくなっちゃった」みたいな気軽い感じの。物事が色々動いていて「タカヨシ良くなっちゃったらプロジェクト自体本末転倒じゃん」という頭が私もタカヨシもあったかもしれない。だからね「良くなっていいんだよー、プロジェクトはそのままー、なんか水も空気もこだわった工場で美味しいお菓子作れたらいいね」と戦わないで、ゆるゆる治せたらいいという方向に舵を切ることにした。
誰かのために頑張る「エンジン」から、楽しむための「エンジン」に載せ替える。
当事者のタカヨシに聞いてみた。
自分のこと「かわいそう」だと思う?
↓
発症した時は思ったけど、色んな患者さんみてたら思わなくなった
なってしまったものはしょうがないし。
ちあきは頑張ってると思う?
↓
俺からみても、はたから見ても良く頑張ってるし、
想像以上のことをしてくれて感謝してる。
ちあきがあなた(タカヨシ)のために大変な思いをする事どう思う?
↓
そんなに大変ならやめればいいのに。
きっかけはタカヨシの病気にせよ、それのおかげで新しい世界が見えた!
楽しんでる千晶はどう思う?
↓
楽しんでるなら良いと思う。
十分頑張っていたとタカヨシも認めてくれてたし、
タカヨシは自分のために私(ちあき)が自己犠牲を払うことは嫌だったんだって。
「あなたのために」が逆にタカヨシを苦しめていたのだ。
だから本人に「あなたのために頑張るエンジンはもう壊れそうなので、自分が楽しんで動かすエンジンに載せ替えます」と宣言してみたら「いいんじゃない」と笑てた。
いつも、上の方でもっと頑張ってる人がいるから、自分も頑張れるはずと思っていたけれど、どうやら元々のエンジンのスペックが違ってたんだと、ようやく気がついた。
こっからが再スタートだ。
みんなから言われたかった言葉
悲劇のヒロイン的に「夫のために、献身的に頑張って支える妻」
涙ぐましい努力をしてる「患者の妻」
化学物質過敏症の人のために立ち上がった「ヒーロー」
そんな風になりたかったわけじゃないし
みたい景色はそれじゃない。
自分はなんて言われたら嬉しかったんだろう?
自問自答したら出てきたことは
「楽しそうに仕事してるね」
「なんか面白そうなことしてる」
「みてるとワクワクするよね」
「私も元気もらえた!何か行動したい」
本当はこう言われたかった。
この一年。脇目も振らず頑張った道の後には上記言葉はなかったし、
現実的に今まで楽しみながら書いていたふじい新聞が丸一年休刊になったことが物語ってる。
しかし、思いの外多くの人が「ふじい新聞」の新刊を心待ちにしてくれた。
やっぱりふじ井の理念「FUN=FAN」ファン=楽しむ だ。
楽しむことでファンが生まれるのだから、
好きな人と、この場で、大切の仲間とともに、とことん私が楽しんで仕事したい、
一年がかりでようやく見失った道をまた思い出した。
もうちょい時間かかるけど、楽しむよ!
北海道倶知安町(くっちゃん)でお菓子屋さんの 「お菓子のふじい」3代目 代表のちあきです。 お菓子作って、経営もして、 果ては当店のキャラクターのグッズデザインやら、SNSまで 仕事とプライベートの境界線がもはや よくわからない日々ですが 楽しみながら仕事をしてますよぉ