夫が「香害」による化学物質過敏症で「引きこもり宣言」

人に理解してもらおうと思うなら
まず自分から発信しないと理解してもらえるわけではないし
それをできる人間は限られているのだと最近気がついた おかしなちあき こと

北海道倶知安(くっちゃん)お菓子のふじい 代表 藤井千晶 です

以前書いた香害による化学物質過敏症に夫のタカヨシがなった記事

その後どうなったかというと 絶賛悪化中

お菓子のふじいは個人事業主で自営業でお菓子屋をしていて
基本、製造は夫とスタッフと私で
別途に販売のスタッフが数人の小さなお店

発症から4年、今までの経過と対策を振り返ると

*特定のスタッフが来ると、鼻水、くしゃみが止まらない、倦怠感も起きる→スタッフユニホームを各自持ち帰り洗濯から
  お店で洗濯機を購入して特定の洗剤で洗うようになる

しかしながら、そもそもインナーなどに使用してる洗剤などにも反応し始める→無償で特定の洗濯洗剤をスタッフに支給し、香りのある柔軟剤の使用禁じる

自宅兼住居のため、仏壇の線香のにおいに反応し始める
→仏間に換気扇
無香料の線香、空気清浄機などを設置

メガネ。マスク。小型空気清浄機。などで対策
 別途で症状別で眼科・内科・アレルギー科など病院行くも、
「健康です」っと言われる
→病院を諦め、自然療法など試しまくる

*症状は改善せず、動悸が止まらず寝込んだりすることが多くなる

子供の運動会など多数が集まるところに行って体調不良に
 →子供のイベントごとにはいかない

外食もお店自体に問題なくても、入って来るお客様によって
 体調不良になるため
 →外食も避けるようになる

手洗い洗剤、シャンプー、リンスなどにも反応
→全て無添加に切り替えて、スタッフにはお店半額負担で
  無添加の洗剤類が使えるよう配慮

配送業者、設備関係の業者さんなど、ちょっとした接触でも
 いっきに倦怠感に襲われ、仕事に支障が出始めたので、
 →来客対応は一切できない為に、私がすべての対応

お客様来店時に微量でも外気が工場に流れ込んでくると反応
→製造と販売で仕切って、動線などの見直しした上で極力、

 外からの空気を遮断

しかも、最近ではニオイってだけじゃなく
何かしらの物質に反応をして目が痛くなったり
前まで大丈夫だたものも次々とダメになっていく

ニオイならまだ、私の方で察知して回避するようにできるけど
察知できないものは毎日顔色を伺って様子をみる
必死に対策こうじてもイタチごっこ状態

ひどい時はガスマスク、でも密閉性が高くって1時間もたないし苦しいらしい

人はこうやって「引きこもり」「ニート」になる

タカヨシは元々「ネガティブ」

彼は
「みんな、なればいいのに」
「なんで自分だけ」
「俺の苦しみはわからない」

ってことを毎日のように言っているし
洗剤や、柔軟剤のCM見るたびにイライラする

「もう、人と会うこともできない」
「外出するのもニオイが気になってツライ」

「俺は引きこもりになる!」

っと宣言をされた

自営業なので、仕事も生活も24時間一緒なわけで
宣言したい気持ちは受け止めた

ああ、こうやって、同じ症状で引きこもりになってしまった人は
世の中にどのくらいいるのだろう。

彼も大変なのはわかるが
彼が製造できなくなれば、吹いて飛ぶような小さなお店
一気に崩れ去るのはわかるので、こっちも必死だ

もし一般会社員で化学物質過敏症になったら
普通の洗濯洗剤でも反応してしまっても、まさか、会社に
「柔軟剤を禁止して、みんなの洗濯洗剤変えてください」
「僕はツライから配慮してください」なんて言えるわけもなく
体調不良で休みがちになれば会社側としては病院をすすめる
でも、本人が病院に行ったところで
化学物質過敏症を診断できる病院自体が少ないから
原因不明で「うつ」や「自律神経失調症」などで処理されて
ニートに、そして本当に「うつ」になっていくだろう。

「なんで自分だけ」ってね

個人的な勝手な予測としては
タカヨシも症状発生から化学物質過敏症だと気がつくまでに
1年かかったんだけど
そもそも、体調が悪いことが「香害」による「化学物質過敏症」って
気がついてない人も多くって、
大多数が「普通の洗剤」を使って体調不良になるって思いもよらない。
きっと自分の体がおかしいとか、
特定の人に会ったり、特定の場所に行く時調子が悪くなれば
心の病気かもって思うことが多いと思う。

まずは知ること

一度、化学物質過敏症になってしまえば
生活習慣などの改善で緩和することがあっても
本質的に治ることはないし、そもそも、遺伝的要素が強いと
過敏症の診断をしてくれた先生が言っていた。

エビが大好きで、ある日甲殻アレルギーになってしまったら
症状を抑える薬はあっても
エビが食べれるようになる薬はないでしょ?

花粉症だって、一度なってしまえば
緩和するグッヅや薬があっても、治る薬ってないでしょ?

だから
いろんな人に「夫がニオイによるアレルギーで」っというと
「薬は?」って聞かれるけど
今のところないからーーー
ひたすら避けることでしか、彼を守れないのだ。

家族として、事業主として、やるべき事

引きこもり宣言をした夫に対して
私が言った言葉がある

「引きこもりになるというなら、
     それをネタに全面に出てもらう」

今、とてもいい時代
一昔前であれば、よくわからない噂がたって
「あの人ちょっとおかしい」みたくなるけど
こちら側から情報開示や発信できて、変な噂が防げる。
もし、取材受けることになっても、テレビ電話とかZOOMなどで対応も可能だ

そして自分は事業主
彼に合わせて、職場を作ることは
同じ境遇の人を救うことになると感じている

化学物質過敏症の人の中には会社だけでなく
家族からも理解してもらいないケースが多い
タカヨシのような人がいると言うことを知ってもらえれば
少しは化学物質過敏症の人が肩身の狭い思いをしなくて済むかもしれない

昨年一年は彼にとっても、私にとっても、過敏症による急激な体調の変化や
状況の変化で、心が追いついていかなかったし、
その状況を受け入れきれてなかったが、いまは前向きに
お店ではスタッフへの過敏症への周知・教育・協力の呼びかけや
そして、どう言うカタチかはわからないけど近々「お店無香化宣言」をして
外の人たちにも周知発信する1年にすると決めている。

お店で働く人に周知するため、スタッフに配ってる、ふじいの経営計画手帳には化学物質過敏症に関して掲載してる

匂い付きの柔軟剤が先行したアメリカやカナダでは現在、化学物質過敏症が増え
病院や役場など公共の場やお店レベルで「無香化宣言」が
流行っているようだ。
それをうちのお菓子屋でやりたいし、周知していく中で
タカヨシと同じ境遇の人の受け入れを積極的にできる体制整える

世の中「働き方改革」中、人口が減り、働く人が減っていく中
「ニート」「引きこもり」は重要な労働力資源だと言われている
個人店レベルでかなり壮大な話ではあるが
そこと向き合い、対応できれば、一つの事例として面白い。

ピンチはチャンスなのだ

かわいそうだね、大変だねって言葉はいらない
それを個性として、ネタとして
引きこもりになった彼を画面上に引っ張り出すことに決めたので

世の中に不平不満言ったところで動かなければ解決などしない
大きな洗剤会社を相手に、「柔軟剤反対ー!健康被害なんとかしてくれ!」
って言ってもすぐに変わるわけでは無いし
こちらとしては悪化が待った無しなので、世の中が変わるのを待つより
その時間、労力を自分のお店に注力して出来ることをやって
自分からニュースを作り出す方が早い。

ますます、お菓子屋としてはおかしなことになっているが
ある意味で独自性があり個性的!マイナス要因も、なんか楽しいって思える
方向に変えていくよ!

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これを読んで共感できるご本人、ご家族、友人知人でお菓子の製造に興味がある人
洗剤の匂いなどが苦手で困ってる人など
求人してますので働きたい人がいたらfacebookでもお店のLINE
メール info@sweets-fujii.com  TEL 0136-22-0050
ちあきまでお問い合わせください(電話は火曜日以外の営業時間内にお願いします)
また、取材などの依頼も受けて受けております
どうぞ、うちの引きこもり宣言したタカヨシを扱ってください。

 

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